今朝の日経新聞「常識を疑う」 コラム。面白い。このコラムの「常識を疑う」と言うんじゃなくて、コラムの題名が「常識を疑う」なのだ。リサイクルをやみくもに推進することに批判的な武 田教授はこう発言する。「エコロ」たち必読。
抜粋:
- リサイクルはゴミの減量につながっていない。ペットボトルを2003年度は21万トン回収したが(97年度比21万 トン増)、生産量は97年度比44万トン増えてゴミは減っていない。
- 燃えるゴミと一緒に回収して焼いて発電したり、廃熱を利用する方が合理的。リサイクル費用は年間7000億円にも 上っている。費用対効果の面で問題。
- リサイクルによって資源を無駄にしている。ペットボトルの場合、分別や運搬、再生加工に必要なエネルギーは石油換算 で年間160万トン。これだけの石油を原材料に使えば、再生するより約3倍のペットが生産できる。つまり同じ量のペットを作るのに石油を三倍使っている。
- 家電のリサイクルについても然り。利用者が一台3000円の費用を負担しているが、ゴミとして処理すれば500円で 済む。
- 民間業者がやっている鉄スクラップや古紙の回収には意味がある。投入する資源が少なく経済的に成り立っている。
- いつまでもボランティア活動や行政の補助金がないと成立しないようなリサイクルは、環境の保全、資源の節約につなが らない。ゴミ減量や資源節約には、耐久性が高く長持ちする商品を開発し、利用者がものを大切に使うことの方が、よほど重要だ。
こ んなことを書くと、また思いこみの強い人たちから袋だたきにされそうだな〜。でも、武田教授の言うことは直感的に本当だと思う。日本社会には、リサイクル に限らず、こういった「錦の御旗」的な意義を振りかざし、異論・反論を絶対に許さない「ポリティカリー・コレクトネス」がいっぱいある。経済合理性のないものは持続しない。小林辰夫記者の「経済性と省資源は対 立しない」というコメントは秀逸。
Posted: Mon - January 16, 2006 at 02:41 PM Letter from Yochomachi 名言(迷言)集 Previous Next Comments (50)
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